ナイフみたいにとがっては

 購入してもう2年たった愛車、X1。

 だいぶ慣れてはきたが、カーナビと一体化されたシステム回りの使い勝手は正直イマイチだ。

 音声認識もついているが、認識力は悪くsiriさん等のスマホにはとても及ばない。

(一昔前の社外カーナビのそれとくらべたら100億倍マシではあるが・・)

 

 しかも、オーディオや電話と一体のシステムになっているせいか、目的地を言っただけでは認識率が低い(気がする)。 「○○に行きたい」と意図まで口に出した方が良い(気がする)

 しかも、ゆっくりと、滑舌良く、はっきりと、朗読するような感じで。 かつ目的地と「行きたい」の部分は一瞬間を開けた方が食いが良い(気がする)

 

 

 

 そんなある日。

 子供(大)が初の部活の対外試合があるというので、残りの家族でわざわざ見に行った。 場所は北区のしあわせの村だ。(宗教施設の様な名前だが、ふつうの公共施設である) 郊外なのでもちろん車で。

 

 見知った場所ではあるが、一応カーナビを使おうと音声認識してみた。 滑舌良く、ゆっくりと。

 「しあわせの村に、行きたい」

 

 すると間髪入れずに助手席に座っていた妻が小声で「詩人かよ」と毒づいた。

 

 

 なんなのこの女の人こわい。 どうしてこうなってしまったのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

黒い白鳥

ちょっと前のこと。

コロナ騒ぎで、かなり下がった石油のETFを買った。 

それも国内ETFじゃ無くて、米国のやつ。

 

そこからさらに下がっても、そのうち上がるわいと中期保有するつもりで涼しい顔でみていたら、ある日証券会社から「重要」というタイトルのメールが来た。

 

一読しただけでは内容が良く分からなかったので、何度もよく読んでうっすらと分かって来たことは下記。

 ・原油の市場価格が下がるどころか、マイナスになっちゃったヨ。

 ・そんな状態だと流動性もへったくれも無いんで、強制的にETF解散して現金にもどしちゃうからヨロシク。(つまり底値の底値での現金化=大損)

 

 思わず「ファック!!」と叫んでしまい、ああ人生初めて真剣に罵り言葉としてファック言ったわぁとか、やっぱり米国株だと自然とファックになるんだなぁやるなぁ俺とか無駄な思考が頭をぐるぐる回りました。

流行りの病

 ふだん一緒に昼食を食べている同僚が、この月曜日に休んでいた。

 仕事が終わってからLineで聞くと、インフルエンザによる高熱らしい。

 なぜインフルと分かったのかと聞くと、「検査はしていないが、病院でそう診断された。」とのこと。

 

 えー、インフルの検査はしたら良いんじゃ? と思ったが、

「検体の採取中にクシャミをしたら、もしコロナだった場合に医療者に伝染してしまうから」だという。

 うーん、納得できるような出来ないような・・。

 

 で、調子はどうなの?と問うたら、「大丈夫だぁー」と返信が来た。

 

 それはあまり大丈夫では無いのでは。

 

壮大な実験

なんか、会社において、今年の冬はインフルで休む人が少ない。

ごほごほセキをしている人も見かけない。例年は必ずいるのに。

全国的な手洗いうがいの励行や、マスクの着用が効いているのだろう。 これは、ひょっとしたら今年の死者は有意に少なくなるのではなかろうか。

グレート・ハンティング

 富裕層の趣味と言えば、世界的にはハンティングです。

 そして私もエリートサラリーマンの端くれとして、今まで数多くの狩りに挑んできましたが、実は日本のハンティング事情の貧しさにはかなり不満を募らせていました。

 

 潮干狩りしかり、地引き網しかり。今年の正月には釣り堀(養殖場サイドビジネス)なるものにも行ってきましたが、そこにも私の求める「ひりつくような息詰まる真剣勝負」はありませんでした。

 これは私の同僚の話ですが、彼が行ったクリ拾いなどはコースの途中に「ここにクリがあります」という立て看板があり、そのたもとに運営が置いたクリを回収するというものだったそうです。 

 その話は俄には信じられないぐらいに愚かしかったので

 「古来、拾われた捨て子は健やかに育つと言われ、豊臣秀頼も『出生時に捨てられ、直後に家臣が拾う』という儀式を行ったと聞きます。 そのクリ拾いもその辺に由来があるのでは。」

 と推理を述べてしまったほどです(無視されたけど)。

 

 

 その様な状態だったので、本日行ってきたイチゴ狩りもちっとも期待していなかったのです。(イチゴ、すっぱいし)

 なんのなんの、あれこそ『狩り』でした! ビバ! (興奮している)

 断言します。 「真のハンティングはイチゴ狩りにあり」です!

 

 まず、ビニールハウスに案内されて、ヘタを入れるトレーを渡されます。で、あとは30分、ひたすら摘みまくり喰いまくり。

 一見、何の戦略性も駆け引きも無いように見えますが、決してそんなことは無く、非常に奥深かったのです!

 一つは、同じ「章姫(あきひめ)」という品種ながら、1個1個味が全然違ったことです。 意外なことに、ケーキの上に乗っているような端正な形のものは、真っ赤に輝くほどに熟れていても、それほど美味しくないのです。酸味も有り、「まぁふつーのイチゴだね」ていうぐらい。

 それが、長細ーく曲がったような形の悪い物(太った唐辛子のみたいな物。ヘタの付近にはブツブツもあり、正直すこし気持ち悪い)は、とても甘い上に酸味という物がゼロで、今までに食べたイチゴの概念を完全に覆すほど美味でした。 イチゴも葉っぱに隠れたりしているので、それを探す難しさと楽しさも有りました。 

 そして、「ひっひっひ、これは甘いに違いない」と思って喰ったときのアタリはずれというギャンブル性。 思ったより甘かったときの嬉しさといったらもう。

 さらに、15分もすればお腹いっぱいになってしまうので、「もう・・・食えてもあと数個・・!」という極限状態の中、熟れ具合や形を厳選して口に運ぶわけですが、そこは明らかに真剣勝負です。 持てる頭脳と運を総動員してイチゴと駆け引きすることになります。

 (それなのに。 これは・・・! という完全な形と大きさと熟れ具合の物を見つけたが、採ってから裏返したらカビてたりとか。まぁ熟れすぎるとね・・。)

 

 結局、私一人で3パック分は優に食べたんじゃ無いかなぁ。

 思いがけずモトも取れたし、そもそもそこらに売ってないぐらい甘いイチゴが食えたので、非常に満足しました。

 ちなみに、帰り際に農園のおじさんに「曲がってる方が甘くね?」と聞いたら「俺もそう思う。理由は分からん」と言われました。なんだろね。 

 

 おまけに敷地の端っこの斜面にゴルフボールがいっぱい落ちていて、子どもとボール狩りも楽しめました。

(なぜあんなに落ちていたのかは不明。ツクシみたいに日当たりの良い斜面に生えるのかもしれない。隣のゴルフコースとはきっと無関係)

 

結論:真のハンティングはイチゴ狩りに有り! (大事なことは繰り返し。)

 

 

 

 

 

 

鬼子

 家族でミスドを喰っていた日曜の朝。

 どこかの鰻屋で、まかないがオールドファッションだという話題になった。

 

 「なんで鰻屋でオールドファッションやねん」と疑問を呈したら、

娘が「茶色つながりじゃない?」と非常に適当なことを言った。

 

 こんな適当な事をいう人間が俺と血がつながっている訳がない・・・!