いくつになっても家電屋がすき。
というわけで、妻実家への滞在中、ヒマだったので近隣の大型家電店に出かけてみた。
で、なにげなく扇風機コーナーに行くと、Pananisoc(仮名)製の超高級品(なんと特価で11万円)が売っており、驚いた。
たかが扇風機で11万円。「ウォールナット使用!」とか外観にもこだわっている模様。
この柱の焦げ茶色の部分がウォールナット。
へーと思ってよく見てみたら、その肝心のウォールナットに隣接する金色のパーツがプラに金メッキでひどく安っぽい。
樹脂だと収縮で面がゆがんでしまうので、写る景色がゆがんでしまうのだった。ピシッとしない。
20年前ならまだしも、iPhoneを四六時中凝視しているような目の肥えた国民が、金メッキだけで高級感を感じてくれる筈は無い。これを金属切削にするのと、樹脂に金メッキにするのとで、おそらく200円程度の差だが、11万円の扇風機でそこをケチる神経がわからない。
いや、実は日本メーカ在籍者としてその意志決定のプロセスはすごく分かる。
カタログスペックに貢献しないパーツに(今までの家電設計の作法からすると)常識外れなコストをかけられないのだ。 判断ができないのだ。
「11万円の扇風機」という非常識な物を作ろうとしているのに。
変われないなぁ日本のでかいメーカーは。
ちなみに、3万円のバルミューダは、塗装も無いのに高級感がありました。
裏側からみても端正。ピシッとしてる。
柱のてっぺんのパーツも、ちゃんと金属部品を使っているし。
コストのかけ方が分かっており、偉い。