不信のとき

 ボーナスも出たし、家族でリッチに外食でもしようじゃないかということで、実家近所の有名な中華料理屋、玉将(仮名)に行った。
 学生時代はたまに来ていたが、まさかここに自分の子供つれてくるとは、と感慨深い。(ちなみにここは駐車場の一角が回転寿司になっており、自分の金ではじめて行った寿司屋はここだったりする。もうなくなって団体専用室になってましたが。)
 で、量が多くてお得そうなラーメンと天津飯のセット、その名も「チャレンジ定食」をオーダー。 いや、家族で食べたら安く上がるじゃないかと思ったんで。 餃子が有名な店なんで、もちろんそれも頼みましたが。
 ひとしきり食ったあと、子供(大)が勘定書きを見て、こう聞いて来た。
「とーやん、この『チャレンジ』ってどういう意味? なんで『こどもチャレンジ』のチャレンジっていうのと同じ言葉が書いてあるの?」
 うーん難問。
「・・・・『チャレンジ』って言うのはな、『がんばるぞー』ってことなんだよ。 子供チャレンジは『こどもががんばるぞー』って意味だな。
 で、ここに書いてあるチャレンジはな、さっき食べたチャレンジ定食の意味で、あれ凄い多かっただろ? がんばって食べないといけないぐらい多いよって意味なんだよ。」
 まぁ及第点の説明なんじゃなかろうか、と思っていたら、
「・・・・とーやん。」
「なんだ?」
「・・・・ちょっとだけ適当言ってない?」
 信じてくれよ! たとえ空也上人の口から仏が出ることがあっても、このいくろう様の口から適当な言葉なんて出るわけないよ!
まぁしかし、子供が初めて親を疑う瞬間を目にすることが出来ました。