管理職とは

 去年の春、課長が「Iさん(俺だ)をチームリーダ化しよう」と思いついてしまったため、ここ半年ぐらい面倒くさい仕事ばかりやらされており、かなりクサクサしていた。
 ココで言う「面倒くさい仕事」とは、各部署間の調整とか、決められた書類を書いたりとか、書かせたりとか、メンバの管理とか、そういうもの。
 で、肝心の担当製品はというと、「設計的な難易度は低いが、責任はないけど口は出す関係者が多く、根回しをしておかないと必ず一悶着ある」というもの。 しかも設計量自体は多いので、下に付くメンバーも多い。つまり管理・調整にそれだけ工数がかかる。(派遣さん含め、常時4人、ピークで7人付いていた)
 結果、機構面でのリーダーとは名ばかりで、CADのマウスなんぞ結局一回も握らず、上記の「面倒くさい仕事」ばかりやっていた。あークサるー。1日じゅう根回し・調整のメールばっかり。
 
 というわけで、去年の末、課長にはっきりと、「管理業務はつまらないからイヤ。」と言った。 
 コレだけはっきり言っても、なんだかモニャモニャ説得してきたので、「いや、私昇進しなくていいですからエンジニアやらせてくださいね。このままでは腕が鈍る。」と釘をさしておいた。
 これが功を奏し、最近面倒くさい仕事は本来のチームリーダがやっている。 あーありがたい。


 もちろん、ここまでの流れはただワガママを言った訳ではなくて、それなりの理由もある。
 
 それは、課長の思惑通りに面倒くさい仕事やって、その先に何があるのかが甚だ疑問に感じていたことだ。つまり、その延長上にある「管理職」に全く魅力を感じなかった。
 もっと言うと、現在凄い勢いで(そして主に悪い部分で)大会社化しつつある今の会社に、管理職として特化した人間になるのが怖かったからだ。 エンジニアとしてなら次のメシのタネはあるが、40歳、50歳になって「管理職なら出来ますが、他に得意な事はありません」ではかなりお寒い。
 世の中には「金の取れるマネージメントスキル」を持った人間や「価値を産む管理業務」も存在することは認めるが、自分自身(不幸にも)そんな物見たことないので、目指せる気もしないし。

 という訳で、面倒くさい宣言は、「人生の手詰まり」を避けるためのリスク回避でもあった訳です。 べったり会社に依存しるなら腑抜けた管理職もいいのかもしれない(というか最高だろう)が、会社が傾きだした時に逃げられるよう準備はしておきたいし。
 まあ、これが中途採用者のメンタリティってことで。

ps ちなみに、こんな私に「管理も細かい設計も両方やれよ! 出来るって! 俺やってるもん!」といって励ましてくれた友人の王子様(仮称)がいますが、1週間に3徹しても仕事の手を抜かないような人のマネはちょっとできん・・。 私はゆっくり自己実現を図るので、許してください。