頑固論

 「頑固」のせいで悩んでいます。
 とはいっても「頑固な誰かに困っている」というわけではなくて。世間と自分とで、なにやら用法が違うらしいのです。
 私の思っている「頑固」というニュアンスは、「自らの信念や価値観に基づき、考え方や態度を貫く」といったもの。
 頑固職人、の頑固に近いく、少しポジティブな香りも含むような。頑固親父、までいくと頑迷さという負のイメージをやや帯びますが、まぁ信念に殉じているので、私としては違和感はありません。


 が、たとえば社会に出ると、次のような人がいます。
 「仕事を依頼するとき、いくら目的や方法を説明しても理解してくれず、ねちねちと自分なりの方法で業務を行い、見当はずれかつレベルの低いアウトプットを繰り返す人(こういう人は大抵、『わかりません』とも『できません』とも言ってくれない)」
 「極端につきあいづらく(自分の非を認めない・人のために自分がリスクや負担を負うことを極端に避ける・人の過失にはひどく攻撃的、等)、また共感能力が全くないので、業務上決して関わり合いになりたくない人」
 こういう人たちを、なぜか周囲の人たちは、「あぁ、あの人頑固だね」と表現するのです。
 そのたびに私は、「いや、あれは頭が悪いんちゃう?(前者)」とか「いや、あれは脳に障害があるだけでしょう(後者)」とか本質に近い(と私が思っている)レッテルを貼りなおそうとするのですが、なぜか相手は黙りこくってしまいます。
 まぁたしかに、「人の指示を受け入れず、自分の考えを曲げない」という意味では頑固という辞書的な意味には包括されるのですが、なんか違和感あるんだよねぇ。頑固の範囲広すぎじゃね?というか。あの国も「発展途上国」に入れるんだと思った時の気持ちに近いというか。

 皆さんどうでしょうか。