実験屋ヴギ

 どうも彼はそうやって、根拠に乏しい結果をもとに条件を継ぎ足すことを繰り返し、実験はかなりドツボにはまっているようだ。 しかし彼は決して「シンプルな実験系に戻して、結果を冷静に見直す」とか「実験数を増やしたり、条件を安定させてデータの信頼性をあげる」ということは決してしない。
 なぜなら彼は本物の「実験屋」だからだ!(カァーッ、かっこいー)

 この「実験屋」というのは「デスクワーカー」という言葉の対極としてのとても重要なキーワードなのだが、それはこういうことだ。
 
 彼は常々、こう言っているらしい。「手も動かさずに頭で考えるデスクワーカーが、俺は大嫌いだ。実験屋は実験で物を語れ!」
 そして後先考えずに、手当たり次第に「とりあえずやってみる」らしい。
 良い結果を出すために、実験をする前に条件を練ったり、出たデータを深く追求するのは「デスクワーク」であり、研究者として「恥ずべきこと」の様なのである。 (いや、マジでそう思ってるみたい)
 研究者とは、金の鉱脈を探し当てるまで、ひたすら実験と言う穴をを愚直に掘り続ける者なり。
 そんな感じみたいよ。