奴隷市場

 昼から、リク√の人(転職コンサルタント、と言うらしい)と会うべく、超有名な某ビル(日本最初の近代ビル)に行く。
 いろいろ、自分のしたいことを話したり、合いそうな企業を提案してもらったりしたのだが、最初に期待していたよりずっと勉強になった。
 面白いことを色々教えてもらった。

・今年は、比較的転職しやすい状況。とくに7,8月は大量に募集がかかった。それに東海地方の求人が多い。
・29才と30才とでは、企業側の評価が随分違う。案外、書類選考で落ちたり受かったりの差がでる時がある。
・(「俺みたいな経歴の人が、来年ぐらいからいっぱい市場に出てきて、俺が転職しにくくなるんじゃない?」と聞いた時の答え)
 そのとおり。あなた(俺だ)の過去関わっていた製品の業界は、ちょっと前までどの企業もイケイケだった。
 が、最近、負け組み企業の淘汰が始まりだしているため、もうすぐあなたの様なエンジニアが市場に流出するだろう。すでにその兆しはある。
・とは言えメカ系エンジニアは、ツブシがきく。仕事の口は多い。
・転職サイトに登録していると、超有名企業からバンバンスカウトメールが来て、(キーワード合致した全員にオートで送っていると)分っていても「俺も捨てたもんじゃないなぁ」的な気分になるが、いざ活動してみると書類選考でバンバン落とされたりして、ショックを受ける例が大変多い。
 (1時面接、2時面接ともに通過率は2割〜3割。色んな応募者がいるとは言え、案外厳しいというのが正直なところ。)
・電気会社系では、やっぱりM下は金がいい。でもTヨタは製造業では別格。狭き門。
・派遣会社は、「社会人を派遣でスタートしてまずスキルをつける」という利用法ならいいが、普通の有名企業から派遣会社に行くことは、キャリアのムダ。
 むしろ次の転職の時に、色眼鏡で見られることになり、書類の段階ではねられる確率がグンとアップする。
・転職する時、無職の期間は作らない方が有利。少なくとも、書類段階で無職期間があると人事は「この人、この期間何してたの?」と100%聞いてくる。
・冴えない人事も多い。コンサルのほうから「『なんだか分らないんだが、とにかく有能な人をくれ』ではなく、取りたい人材像をちゃんと絞り込んでください」と教育することもしばしば。
・中途向けの企業説明会とかセミナーは、絶対に行って置いた方が良い。人事担当者は必ず参加者をチェックしており、自分をアピールするのに最高の場である。良い印象を持たれた人は、その後の選考でとても有利。実際に内定を貰った人も非常に多い。
・何かしら悪いウワサの出ている企業は、たいてい本当に悪い。

 マンツーマンで3時間ほど話し込んだのだが、当たりの部類の人だった模様。かなり好感をもった。
 「私達は企業からお金もらってるから、ホントはあまり言っちゃいけないんですけど」と言いながら、悪い情報(賃金悪いとか、創業者崇拝とか)も聞いたら教えてくれたし。
 何より、「転職して頂いてから、『話が違う』てのが、全員にとって一番不幸で私も困りますから」という姿勢がプロだ。「『第一志望のA社の選考結果がまだ出ていないんだけど、内定を既に貰っているB社に返答をせっつかれて困っている』みたいな時は、私が連絡とって調整しますから。言ってくださいね」とか。
 「所詮私たちで分っている会社の内情は、限界があります。必ず自分の目でよく確かめてから、決めて下さいね」とハッキリ言うところも好印象。
 ノルマとかもあるだろうに、頑張ってほしい。

 という訳で、実りあるお話でした。