玉音

 うちの会社は月一回、下賤の民(社員)にむけて、天上人(社長)のお言葉が発表される。
 毎回ちょっとアレな内容なのだが (「他社との差別化が大事です」と何のひねりも無い一般論を恥ずかしげも無く述べるとか。その時点で自己矛盾だ。それか施策の伴わない壮大な目標を悲壮感とともにぶち上げるか、どっちか) 、9月のは良かった。
 「わが社は戦時中、軍に命令されて軍需物資を生産し・・・」みたいな苦労話で始まったので、お、毛色がちがうやんと思いました。 この状況で緊張感ねぇー!とも思いましたが。
 しかしそれに続く分がイイ!「で、戦争がイキナリ終わって、作る物が無くなりました。 だから工員さんの2/3が首を切られました。 昔も大変な時があったんですネ」で昔話は終わり、「目標達成、頑張ろう!!」で唐突に締めました。
 その行間に (しくじったのはボクが初めてじゃないヨ) とか (環境の変化にはいかんともしがたいよネ) とか (リストラは今回が最初じゃないし、最悪でもないよ。だからもっと凄いのが来ても当然我慢しよう!)という言葉が見て取れる。。。。。
 いつもの直球勝負じゃなくて、自分の言いたいことを匂わしてくる所がまた卑屈でグッっと来ました。
 一応言っておこう。
 終戦による環境変化の波に飲まれたのと、市況を無視して勝手に自爆したのは、全然責任が違いますから! 残念!