インカムゲインとキャピタルゲイン 

 それはそうと、最近不思議に思った。株の価格についてである。 
 他の投資、例えば不動産の場合の値付けのトレンドとしては、転売で儲ける事を前提にした物ではなく、そこから得られる賃料で元が取れるだけの価格が意識されている。みんなバブルで痛い目見たからかな。
 つまり、人に貸した家賃収入でそのうちに元が取れるなら、少々値崩れしたとしても怖くないわけだ。
 反対に、むやみに高く買ってしまった人はその時点で、価格が下がるリスクをとっていると言うことになる。そしてそれは最近の流行ではない。

 さて。株の場合は、どうだろう。
 持っていることで得られる収入としては、配当しかない。(優待は無視)。
 配当なんか2%もあれば良い方だ。(今銀行に預けるよりはよっぽど良いけど。)
 元が取れるまでに何年かかりますかっちゅー話だ。つまり、転売時に儲かる事が完全に前提な訳だ。みんなリスクをとって株買っている。

 不動産と株、同じ投資商品なのに、この考え方の違いはどこから発生するのだろうか。
 つらつら考えてみるに、こういうことではなかろうか。
 不動産に期待できる値上がりは、根本的にはインフレの分しかない。特殊な要因が無い限りは価値は上がらない。
 しかし株の場合、企業という意思を持つ主体が、利益を上げることを前提に活動している訳だ。そしてその利益を内部留保や自社株買いに当てることで、株の根源的な価値はその分あがるだろう、という大前提がある訳だ。
 で、本来、どの位もうけてるの? 株価は本来の価値に対してリーズナブルなの? っていう目安が各種の数値なんだな、きっと。
 PERなんかすごくそう。バフェットがEPSを重視するのもそういう事なんだろう。
 ここまで考えて、相対的な目安にしか見えなかった諸数値が、ちょっと実を伴った物に思えてきました。