君子短命

 学生の頃は、就職活動の時でさえ、経済やビジネス関係の本は読んだ事が無かった。 世の中にあふれているそれらの本は、リーマンのおっさんしか読まないんだろうと思っていた。 何が面白いんだろうと。
 で、順調に20代も後半のリーマンになると、経済評論家の本とかを読むようになった。 うーん不思議。
 基本的に何も知らないので、暇な時には本屋でぱらぱらページをめくってコレと思った人物の本を読む。 良かったら、その人の他の本も読む。
 基本的なスタンスとして、「予言」が当たるかどうかではなく、思考のプロセスを楽しむのだが、いろいろな人の書物を読む過程で、評論家の好き嫌いが醸成されてきた。
 コイツはだめだ!と思った評論家は、森永卓郎。 理由は突き詰めると、「志が低い」ことと、「外見」。
 こいつはいい!と思ったのは糸瀬茂。
http://www.tv-tokyo.co.jp/nms/column/itose.html
 で、さっそく糸瀬タンの本を探してみたのだが、ほとんど出ていない。そして古い。
 調べてみたら、だいぶ前に亡くなっている。 あちゃー。 「面白い本」は私にとってはとても必要な物なので、こういう時は凄く残念で悲しいし、なんとも言えない喪失感がある。 だってもう新刊でないんだから。 もっと彼の現状分析が読みたかった。
 そして最近、インターネットで何かの拍子に見つけた 侘美光彦 というおっさん。
 http://www.hansen-jp.com/202takumi.htm
 ふーん、ちょっとこのおっさんの現状分析を読んでみたい、と思ったのだが、やっぱり古いものしかない。 もしやと思って調べると、やはり亡くなっている。 あー。

 俺の良いと思った経済関係の人間は短命なのか? と思って、慌ててもう1人のお気に入りも調べてみた。
http://www.koyo.ac.jp/subject/pub/pub.html
 あー、よかった、生きているようだ。 このおっさんにも、会っていろいろ話を聞いてみたいものだ。
 こいつのせいで、俺はセンター試験の社会を「倫理・政治経済」というマニアックな物で受けることになったのだ。 ほかにもそんな奴いっぱいいたが。