しゃかいのしくみ

 思えば私の経験上、機械屋さんは製品開発において、他の部門(電気屋さんとかデザインとか規格対応とか製造とか・・・)との折衝が多い様な気がする。 よく言えばハブ的なポジションであり、悪く言えばコンセンサスを得るための雑用が多い。
 まぁ仕事ってのは大抵、本来の付加価値を生み出す醍醐味よりも、そういった雑味が多い(と思う)。
 そして社内社外を問わず、問題解決のためにかけずり回って仕事を前に進めていくサイクル、それを繰り返してより大きなサイクルを手がけていくのが組織で評価され出世する道であり、また反対に「より広い視野、より大くの人間を『動かす仕事ができる」それこそが出世することの証であり褒美でもある。
 別にサラリーマンでなくても、「目標達成のために他人やシステムを駆使して、利害の調整を行いつつ課題をつぶしていく能力」は、大抵の仕事でとてもプリミティブかつ求められるものだ。
 その能力のある人は、「仕事の出来る人」と同義語といって良い程に。 だからこそ、それがある人材は、人の上にの上に立つ(すなわち出世する)訳なんだけれども。

 ところが困ったことに、私は出世したくもなければ、でかい仕事がしたい訳ではない。なのでそういった調整行為はすべて「雑務」と目に映る。つまりめんどくさくていやだ。 
 そりゃ、やれと言われりゃやるし、ある程度はできるけど。 お仕事ですから。
 なのにチームリーダーとかってのは「偉くなる」その一段階であって、「課題解決のために処理する雑務」が多くなる。 そりゃいやだ。 めんどくせぇ。



 というわけで、今現在、「目先の穴を深く掘っていけばいい仕事」を模索中。誰かが「これおねがいしますー」て仕事持ってきてくれて、純粋に処理して付加価値をつければ済む仕事。
 つまり、俺は職人になりたいんだな、きっと。 医者なんか「偉くなる」ことを志向しなければ結構職人なのかなぁ。それは医者という仕事をあなどりすぎか。