首尾一貫

 最近は少子化が騒がれていて、「人口が増える=善」みたいなイメージで捉えられているが、私の高校生ぐらいまでは、地球の人口爆発がすごい問題視されていた。
 とはいえ最近になって急に地球上の状況が変わったわけではなく、もうちょっと人間という生き物は減った方が、長い目で見たときにこの星は住みやすくなると思う。
 なぜこんなにも風潮が変わってしまったかと言うと、最近になってから、日本国内の年金や健康保険、また拡大再生産が前提である資本主義に人口減少がそぐわないといったことが問題視されてきているからだ。
 なんとまぁ、距離的にも、時間的にも近視眼的なことよ。

 そして、実はこの人口問題、少なくとも10年前には充分に分っていたはずなのだが、その頃は騒がれなかった。だって「だいぶ先の話」だから。

 人間、目先のことで右往左往するということでは、とても首尾一貫していると思う。