趣味

ikurou2007-05-26

いわゆる神戸は、南側の海と、北の六甲山系に挟まれた部分に横長に広がっている。
その限られた土地を精一杯活用しようとしているので、南側はどんどん埋め立てるし、北側はかなりな無理をしてでも、山の斜面に住宅を建てていたりする。
で、学生時代、その「人間の居住区間が終わり、山になる境目」を探検するのが好きだった。
神戸市街地は北に上がれば、六甲山系の森という「OBゾーン」が厳然としてあり、例外はない。
そしてギリギリまで攻めている関係上、普通の平地の「街の終わり」ように「なんだか民家が少なくなってきて、ちょっと畑とか木が増えてきたなーと思っていたらだんだん森になった」ということは全くない。
本当に唐突に森になってしまうのだ。田舎とかじゃなくて、非日常な空間としての山林地帯。
 で、そんな「地の果て」まで行っても、あっという間(それこそ10分ぐらい)で普通の繁華街に帰って来れるワープ感もイイ。
 ほとんどの日本において、「山林ゾーン」と「スタバと人気のケーキ屋とオサレな雑貨屋があるゾーン」の物理的距離はかなり遠いのに、この違和感と言ったらない。
また、山林に食い込んだ人間社会のクサビであるところの「境界」も、多様性に富んでおりとても興味深い。
 正体のよく分からない施設になっていたり、鬱蒼とした森に家が食い込んだようになっていたり。
ガケ崩れ予防の巨大なコンクリ壁になっていたり(その直下から平凡な顔をした住宅ゾーンがイキナリ立ち上がり、そのまま一気に坂の下まで続いていたり)、その意外性と魅力は尽きない。