こわいよ

 プチ里帰りのため、嫁さんと子どもを実家に連れて行く。
 季節柄もあり、実家の方々といっしょに雛人形を飾った。
 嫁さんが子どもの時分に買ったと言う7段飾りだが、めちゃめちゃめんどうくせぇ! 
 自分の家にあったとしても絶対にやらないと思う。

 この雛飾りも20年ぶりぐらいに物置から出したものなのだが、いい機会なのでたまには日干しをということで、いっしょにしまってあった各種縁起物もいろいろ出てきた。
 その中にあったのが、でかい市松人形。ちょうど子どもを同じくらいの背丈がある。
 私は古い日本人形が不気味で苦手なのだが、もう正に琴線をかき鳴らされるかんじでめちゃめちゃ怖かった。
 嫁さんも私がそういうのを嫌いと知っていて、その人形を発見したときもあえて声をかけてくれない。
 私が本を読んでいる部屋のふすまを少しあけて、その人形が覗いている感じにして、放置しておくと言う陰湿ぶり。しばらくして気付いた私があげた悲鳴を聞きつけてから、やってきた。
「いや、こういうの絶対嫌いやと思って。」
 うちで飼っているあの心無い生物は絶対コイツ似だな・・・。