- 作者: ロバート・B・チャルディーニ,社会行動研究会
- 出版社/メーカー: 誠信書房
- 発売日: 2007/09/14
- メディア: 単行本
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曰く、「新着図書の中から、人気の無さそうなものを借りてくると比較的受けがいい」らしい。
まぁそれはともかく、つまらなそうなジャケットを裏切って、内容的にはすごいヒット。
社会心理学の比較的平易な解説書なのだが、 全体を貫いているテーマは、「人間の判断というものが、いかに簡単なトリガに(しかも当人には認識されないままに)影響されているか。またそれを逆手にとってどのような商売や交渉がなされているか」といったものだ。
また、個別のテーマの切り口もいいし、フィールドワークや実験による定量的な裏づけもいい。
たとえば、こんな実験例やデータが載せられている。
・一杯のコーラを(別に欲しくもないのに)おごられた人が、後から当たりつきクジの購入を頼まれると、コーラの件がなかった人に比べ、倍も購入する。一見そんなものかな、という結果だが、「欲しくもないのに奢られた」という所と「被験者は、奢られた事実が自分の判断に影響を及ぼしてはいないと思っている」という点が非常に興味深い。
・好ましい消費を連想させるマークがあるだけで、購入額は29%上昇し、チャリティへの寄付率は倍以上になる。これももちろん、本人は影響されている事に気付かない。
その他にも、「この世の終わりを予言する宗教に調査員を潜入させ、『終末の瞬間』の前後での信者の行動変化を観察・記録する」なんて事もやっているし、CMや広告がこの効果を狙ってるんだなーと思い当たる研究結果もたくさん出ている。
好きだなぁこういうの。