関連した話

 先日友人達と会った際、「いまよくやっている『派遣さんかわいそう』報道には違和感を憶える」、という話をした。
 そこにいた者一同、現在のマスコミのこの問題のとりあげ方には思うところがあるようであったが、とりあえず私が抱いている「腑に落ちない感」は、例えて言うとこうだ。
「死刑制度導入の時はスルーしておいて、いざ執行の時になって『殺すのは可哀想』と騒いでいる様な感じ」


 近年、派遣法の緩和が徐々に行われてきたが、昨今ほどの拒否的な報道はなかったように思う。(反対運動がなかったとは言わない。その運動を媒体が本腰を入れてとりあげていなかった、という意味だ。)
 まぁ勘ぐれば「マスコミにとって大スポンサーである、経団連の皆様の意向にはケチはつけられない」、という所かもしれないが。

 
 そもそも現在の日本では、「正社員は不景気の時首を切れない。なので景気変動に備えるため、派遣でしのぐ」という思惑が、派遣さんを雇っている理由のかなり大きな部分を占める。(あえて断定したが、あまり異論は出ないと思う)
 だから、「不景気⇒派遣契約が無くなる」という構図は、太陽が東から登るのと同じぐらい「そういうシステム」だ。
 なので、単純作業者の派遣解禁の時など、「あー、日本という国(のマスコミ)は、『不景気の時に大量の失業者が出るのはやむなし』、という方向を選択したんだ」と思った。 だって報道がそれほど盛り上がらなかったから。
 それが昨今どうだ。「弱いものイジメだ」「可哀想」って、何を今さらにも度が過ぎる。社会の木鐸が聞いて呆れる。
 でも今書いた様なことを国会議員が言えば、それこそマスコミから袋叩きだろう。「弱者の苦しみが全く分かっていない」とか論点のずれた事いって。
 あーいやだいやだ。 まだしばらくウチは新聞とりそうにないな・・・。