実験

 近所のホームセンターに行ったら、再販の網から漏れた書籍がバーゲンしていた。
 見ていると、3〜4歳の子供用のドリルが200円で売っていたので、面白がって購入。
 ドリルといっても、3つぐらいの間違い探しとか、同じ絵を線でつなぐとか、ある絵を覚えておいてページをめくってからその絵を複数から選ぶとか、そんなの。そして終わったら1ページごとにシールを貼っていくという。
 子供にやらせてみると、凄く面白かったらしく、またドリルという形式がハマってスナック感覚でどんどんやってしまう。教えてもいないのに、案外解けるもんだなー。
 と思っていたら、ぜんぜん出来ない分野があった。「点と点をつないで、見本と同じ幾何学図形(Tみたいな形とか、家みたいな形とか)をつくる」というジャンルのもの。一番簡単なレベルの、最初に出てくる問題でも全然分からない様だ。
 どこでひっかっているのか確かめるため、課題を要素にブレイクダウンし(図形を認識する⇒頭の中で再構築する⇒自分の書く動作として脳内で落とし込む⇒実際に書くスキル)、いろいろな形で問うてみた。
 すると、STEP2か3のあたりで引っかかっているようだ。 たとえば、「丸を描いてごらん」というと描けるが、私が丸を書いて、「これと同じものを描いてみよ」というと出来ない。これは面白い。脳が未発達で、どこかの機能同士が架橋できておらず、幾何学図形の把握・応用力が全然ないようだ。 典型的な女脳だな、こいつ・・・。 
 そのうち自然と出来るようになるんだろうが、ずーっとこの手の問題は弱点として残ると見た。
 「サイコロ展開問題」とか「ピラミッドみたいな型に積み上げた立方体、全部でいくつ?(もちろん見えない部分あり)問題」とか、苦手な子に育つなきっと。
 
 
 ちなみに、同じような経験が私にもある。 幼稚園の頃のことだが、どうしても漢字が記憶できなかったのだ。結局何日かけても、ドリルの1ページ目から一向に進まなかった。(「上」「四」「人」等の最も簡単な種類の漢字が、だ。) あれも、「憶えるための脳の回路」がまったく完成していなかったんだろうなきっと。(あまりにも憶えられないことが我ながら不思議で仕方なかったので、おかげでこの経験は記憶していた)
 そしてそのすぐ後、実際に1年生のときには、漢字の習得に苦労した覚えはないので、この時期の出来る/出来ないなんて、そういうもののようである。