昔習った代表的な森の生育過程は、たしかこういうものだ。
・初めは原っぱだったのが、だんだん低木の広葉樹が生えて来る。
・それがいつの間にか背の高いうっそうとした針葉樹林になる。
・こうなると森として「ゴール」。変化せずずーっと続く。たまーに寿命に達した木が倒れて、世代交代がスポット的に起こる程度。
・大きく状況が変わるのは、山火事や害虫の大発生で一気に大木がなくなったりした時。
あとは、大規模な気候変動が起きて、比較的緩やかだけれど、植物相が変わった時(砂漠化とかもそう)。
このまえ東京にいって中央線に乗ったとき、それほど新しくない小さい一戸建てがずーーーーっと続いているのをみて、そんなことを思い出しました。「小さい一戸建ての続く町並み」というのは、針葉樹林だな、と。
こうなると完全に老朽化して潰すと言う、極めて限定的な形でしか世代交代が行われないし、その跡に建つのはやっぱり小さい個人住宅だ。
大きい家なら、潰した跡地は広いので、他の利用法もあるだろうが、そこに複数の「小さい一戸建て」を建ててしまったらやはり落ち着いた状態になってしまう。
この状況が一気にかわるのは、地震や大火事等が起こった時、というのも森と類似する。
そうなると、森にとっての気候変動なんて、町に対してならさしずめ、「地場産業が斜陽化したり、鉄道から車へのシフトがおこり、人や金の流れが変わった」とかだろう。例えば「近所に合った大企業の工場が中国に行ってしまった」とか。
(ボディーブローに様にじわじわと、しかし確実に、町の構成が変わっていくだろう。)