下から目線

 私も知ったのは北京オリンピック(の鳥の巣)ですが、新国立競技場関連のトラブルで、最近は茶の間にまで有名になってしまったザハ・ハディド
 日本側の対応のグダグダ具合をみるにつけ、「なんだよ勢いのねぇ国だなぁ」と思ってしまう。
 「誘致決まったからもう知らんもんね」とばかりに、すっぱり方針を変えるもよし。
 「もう決めたんだからやり切っちまおうぜ! 維持費?知らん知らん」とノリでつっばしるもよし。
 決められずにグダグダと時間をつぶし、足りなくなった時間のしわ寄せは結局現場に(そして費用もかかる)、という結末はいかにも日本的ではありますが、美しくないす。
 
 前述の中国の鳥の巣ばかりではなく、みなさんお嫌いなお隣の国も、ザハの無理難題を実現させてしまっています。
 やっぱり工費は予定外にかかったらしいいし、維持費も問題になりそうらしいけど。勢いは見習いたい物です。
http://www.huffingtonpost.jp/2014/04/01/zaha-hadid_n_5067006.html
 (まぁどちらも400億円程度のもんらしいですが・・。なんであんな高いんだろうね国立。)
 

 前にも書きましたが、ネットを徘徊していると、やたら「日本すげぇ」「○○してるなんて、中国(韓国)は本当にダメだな」的な記事が目につきますが、正直見苦しいです。(最近はそこにギリシャが加わりました)
 なんだかんだ言って、携帯やテレビを初めとして余所に「負けた」分野は多々あるし、日本の駄目な所も厳然とあるわけで。
 原発事故とか、遅遅としてすすまない女性の社会進出(を支える環境整備)なんて、かなり他国に恥ずかしいと思うんですがどうでしょうか。「日本のこんな所すげぇ」を連呼する人種は、「日本の恥部」にきちんと目を向けているのでしょうか。 
 残された(そして明確に減りつつある)美徳にすがってプライドを維持する姿勢は、飲み屋で「俺だって昔は」とオダをあげる団塊男性の様に見苦しく、さもしいです。
 それよりは「欧米はこんなに進んでいる」「韓国のスピード感は」「中国のエネルギッシュさは」と、卑屈なまでに「余所んちの芝生の青さ」を希求する、劣等感に満ちた姿勢の方が、まだしも健全で前向きなものに私は思います。