大規模小売店舗考

 そもそも今の時代、ああいったフロアごとに分かれた、5階建て以上の小売店舗は流行らないのだろうか。特に、高級百貨店とディスカウントストアの間の中途半端な業態は。
 思うに、物質的にそれなりに満たされてしまっている現在、ショッピングは生活に必要な行為というより、レジャーだ。楽しくないといけない。 製品やサービスも、どこにでもあるものではだめで、ゲットする喜びが要求される。(それか値段を極端に安くして、買い手の狩猟本能に訴えるか)
 それなのに、ああいった営業形態は、「画一化されて、のっぺりした売り場」だし、わざわざエレベーターなりエスカレータを降りないと、他のフロアには行けない。そうする程の魅力のある店舗もないし。(「シャワー効果」とか「噴水効果」とかはもうあまり効かないんですかね?)
 その点、郊外型の大規模店舗は良く出来ている。イオンとか。でかい敷地を生かして、通りを挟んだ2階建てにしている。そのため中央の通路を歩く客は、自然とほぼ全ての店が目に入る。
 しかも、区切られた区画に入っている専門店はそれぞれ独立して個性的であり、見ていて飽きさせない。(入ってる店の種類や、全体の雰囲気は、日本中どこの施設に行っても驚くほどいっしょだが・・・)
 これが今の流行なんやな。次の流行はどんなかなぁ。
 「作られた個性的な商店街」に飽きて、市街地の「リアルな商店街」に回帰するのかなぁ。立地は良いけど死にかけの商店街に、個性的な店がいっぱい入れば、そうやって町が復活するかも。
 あぁ、ここまで言ってモデルケースが既にあるのに気付いた。神戸三宮の高架下だ。15年前はどうしようもなく死んでいたが、地震後ぐらいから古着屋とかアクセサリー屋とかがどっと増え、今はちょっとおしゃれなゾーンになってしまっている。
 昔を知るものからは信じられんなぁ。