男の横顔

 個室で面談したのだが、ペラペラと良くしゃべるわこのおっさん。
 しかしまぁ、色々わかったよ。納得させられたよ。

・今まで、「研究ネタをビジネスに乗せるプロジェクト」を何件もやってきて、すべてポシャっていること。

・プロジェクトに関し、実務レベルのマネージメントをする気は、さらさら無い事。
「あ、達成目標を色々書いて来てくれたねぇ。でもボク、言い切っちゃうけど、こういうの見ないんだよね! こういうさぁ、何をどうやるってのはぁ、皆さんにキチっと進めて貰って、ね? もうちょっと大きい話したいんだ!」

・その時やっている仕事に対して、明確な目標やビジョンは特に持っていないこと。「誰もやったことない事をビジネスにしようってんだからさぁ、最終的なビジネスが何時どんな形で出来るだとか、どうやっていったらいいかなんて、誰もわからないんだよ! だからさぁ、今はアレやったりコレやったり、ちょと戻って路地に入ってみたり、色々やってみるしかないよねぇ!」

・研究→ビジネスというフェーズにおいては、その状態が当たり前だと思っていること。「そんなワケだからさぁ、何かやっても、朝礼暮改!って感じで無駄になっちゃうこと多いかもしんないけれども。だってここ数年ずっとそうでしょう? でもほら仕方ないんだよねぇ、なんせ誰もやったこと無い事、やろうてんだから! こんなもんだと思ってないとね、ストレスでおかしくなっちゃうからね!」

・夢見がちなこと。
「ボクね、常々言ってるんですけども。『最初にカタログ作れ!』ってね。つまり、こういう物作るんだ!っていう予想図っていうかね、そういうのをまず作って欲しいの。ちょっとそれは今無理だろうとか、実際はその半分とか3分の1しかできないとか、そういうのでもいいの。とにかくまずそこ! キミもまだ若いんだからさぁ、それぐらいはやって欲しいなぁ!」
   ・・・・すいません、私は地べたを這う無能エンジニアですから、現実と乖離した目標設定は出来ません。