夢とははかない物

 粘膜が特別丈夫なのか、生まれてこの方、鼻血というものを出したことがない。いや正確に言うと無かった。
 幼少時から鼻炎持ちで、年がら年中鼻を思いっきりかんでいたので自然と鍛えられていたのではないかと思っている。(副作用として高い内圧がかかり続けた鼓膜はすぐに倒れるようになってしまったが。飛行機とかダイビングとかで、耳ヌキすぐできて便利だけれども。)
 ところが先日、長風呂したあと出たですよ、鼻血が。 最初は「花粉症末期のさらさらの鼻水」がでてきたのかと思った。それなら経験しているので。だがよくみたら血。
 鼻ぶつけたとかじゃなくて、安静時にいきなり出たからとても驚いた。 嫁さんがよく鼻血が出る人で、気の毒がるとともに一抹のうらやましさを感じていたのだが、実際なってみたら全然いいもんじゃありませんな、これは。なかなか止まらんし、周囲は汚れるし。
 同じ様にちょっと(だけ)憧れているものとして「骨折(とそれに付随するギブス)」があるのだが、これもなってみたら良くはないんでしょうな、きっと。