ちょっといい話 2題

 今年には3歳となるので、来年春には幼稚園にあがることができる我が子。
 私が住む地域は(世間の少子化が嘘のように)人口爆発に沸いており、幼稚園の定員にすべり込むのも一苦労なので、妻も積極的に情報を集めてくれている。
 その候補のうちの一つがミッション系なのだが、そこで妻が以下の思い出話を語ってくれた。
  ・中学生の頃、行っていた塾のおばちゃん先生がキリスト教徒の人だった。
  ・一度、こんな経験も良いでしょうと言って、親に了解をとってくれた上で、他の塾生達と一緒に夜のミサに車で連れて行ってくれた。
  ・深夜まで起きていて、友人と外出しているという状況もワクワクするしたし、ミサも幻想的な雰囲気で別世界のようだったし、とてもいい思い出だ。


 それを聞いて私も思い出話を。


「小学生の時、友達から『近所にお菓子くれる家あんねんで。』て教えてもろて。行ってみたらお菓子目当ての子どもが座敷にいっぱいおって、すわってんねん。
 で、おもむろに家のおばはんがスイッチ押したら、その座敷の壁の一面のほぼ全部が開いて、巨大な仏壇が出てきてな。それ『拝め』言わはんねん。度肝ぬかれたわ。 ほいで、へんな歌と踊りの練習が始まってんけど。
『あーあー希望の21世紀までーわーずか後16年〜』ていう歌詞やって、
『16年てえらいキリ悪いなぁ。ぜんぜんわずかでも無いし。しかも間抜けな曲やで』思いながらも、おばはんごっつう真剣で怖いから仕方なく練習するわけや。
 その後ようやくお菓子タイムやったけど、その時におばはん『今度の日曜が本番やから!みんな絶対くんねんで!!』言う訳よ。たぶん教祖様の誕生日とか、そんなんやったんやろなぁ。
 俺にも直接、『あんたも来るねんよな!お菓子食べてんねんから!』いうて脅してきてんけど、これはマズイ思て『ぼく日曜塾ですから』とか適当いうて逃げて来たった。
 もちろんその家には2度と近づけへんかったわ・・・・・・ 」


「・・・・・・・・。」←妻、無言。


「あの、『そうそう!僕も同じような経験あるんだ!寄寓だね!』ていう、共感を分かち合う文脈なんですけどこれ?」
「ぜんぜん違う!!」



 最近、夫婦の会話がまったく噛みあわないんです・・・・。