美醜に思う

 俗に、「美人はトク」、という。 多くの場合これは正しいと思う。 
 別にアイドルや女優にまで思いを馳せなくても、誰しも身近に思いあたる補強証拠はあるだろう。
 だが、「美人の方が幸せになれる」という命題となると、あまりそうとは限らないんじゃないか、と思う。もっと端的に言うと、しょうもない男を捕まえる確率が上がるのではないか。
 
 なぜなら、美人によってくる男の中には「外見が良ければ性格は2の次」な男が必ず含まれるからだ。だが、美しさはいつか衰えるし、美人なんか他に幾らでもいるわけで、彼らが裏切る確率は比較的高い。(便宜上、彼らを「性格の悪い」男とする)

 ところが、非美人(ニュアンスとして美人以外、つまり「十人並み」ぐらいまでは含む集団)には、少なくとも彼らは寄って来ない。どちらかと言うと性格や相性を重視した男達(彼らを「性格の良い」男とする)と付き合う可能性が高いだろう。(自分の性格が良ければ、という大前提がありますが)
 男のその他の価値である「財力」や「ルックス」は性格に較べれば判断しやすいので、イイオトコをより分ける作業も楽だ。


 「美人の方が、よりどりミドリで男を選べるではないか」とおっしゃる向きもあろう。確かに。
 だが、選べる男がたくさんいても、ハズレ男の混じる確率は一定なので、ババをひく確率も同じだ。
 選択肢の多さを生かすには「ハズレだと思ったらスグに次の男に移る」という戦略が必要になる。(逆に言うと、そうしないと美人は、不美人より不利となる。)
 なるほど。


 さてここまで物質的なものより、精神的な物を幸せの要素として書いてきた訳だが、男の「金と顔」についてはどうだろうか。
 不美人によってくる男⇒「不細工で貧乏」、美人によってくる男⇒「男前で金持ち」という関係が成立するなら、この点では美人は有利だ。
 
 これはどうかなぁ。 世間一般のイメージとしてはそれが正しいような気もする。少なくとも、(さっき書いたように)、ルックスと財力は外から判断しやすいので、選択肢の(数だけは)多い美人は、「男前で金持ち」を選ぶ事は容易だろう。
 その面では、金や顔といった「ステイタス的」なもので幸せになれるなら、美人の方が幸せになれる確率は高そうだ。
 
 また、ここまで「男のほうが女によってくる」という文脈で書いてきたが、「女が狙った男を落とす」としても、結局は同じ事なのだと思う。最終的には双方の同意がないと付き合えないわけで。


 
 まとめてみるに、個人的な意見としては、付き合う相手の性格や相性が良いほうが幸せになれる気がするし、男をとっかえひっかえするのも大変なので、やはり美人より不美人(ただし性格がいい)が幸せ確率が高いと思う。
 
 ただしせち辛いこの世の中、ある程度見栄えが良い方が何かとトクなのも確かなので、「ちょっと可愛い」ぐらいがいいバランスなのかなぁ。