今日の一枚〜気持ち悪さをおすそ分け

ikurou2009-09-26

 妻の実家の田んぼの脇で、とても気持ちの悪いものを見つけた。
 虫の卵のようなのだが、なにが鳥肌を誘うといって、どぎついショッキング・ピンク。なんだこの色!
 まぐろ亭のネタとか、アメリカのチューインガムとかの、あの遠慮や言い訳の感じられない色だ。
 しかも田んぼ周囲のコンクリ部分のあちこちに貼り付いている。き、きもちわるい・・・・。
 きっとこれは何かとてつもない毒虫の卵に違いない、と思っていたらお義母さんが顔をしかめながらおしえてくれた。
 「あれはタニシなんよー」
 は? タニシ・・ですか・・? 小学生のとき学校で飼ってましたが、ぶよぶよした寒天質の卵だったような? 
 それにあんな色してなかったし、なにより水棲だろ! おもいきり乾いてるやんあの卵! あかんやろ! 
 「ジャンボタニシいうて困っとるんよ」そういながら、鋤で卵を田んぼの中に掻き落とす義母。「こうしたら卵かえらへんて」本当かよ・・。だって水の生き物だろ。おかしいよ・・。
 で、田んぼを見てみると・・・でか!なんじゃこりゃ! 巨大なタニシがいる! 
 親指と人差し指で作った輪より、一回りでかい感じ。 普通のタニシと次元が違う。もうオイルタンカーとタライ舟ぐらい違う。

 しかしこいつが本当に、そんな変わり者なのか? 陸上に卵生むか? しかもあの、毒虫確定の?
 半信半疑でGoogle様で調べてみたら・・・・すべて本当でした。
 しかもアメリカ原産。あの侘び寂びの全く感じられない卵もそれならと大納得。


 しかしコイツも実は、聞いてみれば不幸な生い立ち。
 食用目的で連れてこられ大々的に養殖されたたものの、「おいしくない」という理由で放棄され(養殖する前に気づけよ・・・)、それがここまで広まったと。ヌートリアとかブラックバスみたいやな。
 人間って勝手やなぁ・・。ちなみにあの卵は「苦くて食用に向かない」だそうです。食いませんから。
 が・・・人にも感染する寄生虫がいるとか、稲の苗が小さいうちは猛烈に食い荒らすとかで、今は邪魔者から嫌われ者に昇格。繁殖が盛んだった九州を起点に、東に東に勢力を順調に拡大中だそうです。
 岡山は完全に占領されたようです。川の護岸にもいっぱい貼り付いてましたから。

 ちなみに寄生虫は人に感染した場合、本来の宿主ではないため体内で暴れ周り、最悪半身不随をも引き起こす(そして薬も効かない)・・・という(ワイドショー受けする)恐ろしいもので、嫌われて当然なのですが、
もう一段掘り下げて調べてみると、症状がでるだけでも極めて珍しいものであることがわかりました。(比較的寄生虫の多い沖縄以外では発症例なし。 万が一感染しても、寄生虫も本来の宿主ではないため、基本的にはすぐに死んでしまうそうです)
 基本的に生食とかで発生するもので、触った後に手をよく洗ったら事実上リスクはゼロにできるようなので、皆さん安心して奴とたわむれてください。
 君の町にもいつか現れるよ!