よしなしごと

 なんとなく考えたこと。とくにオチは無いですよ。
 この200年ほどで化石燃料を使いまくったせいで、空気中の二酸化炭素が100PPM(1/100%)程増えた減ったと一喜一憂している人類だが、思えば、そんなもんじゃない資源の消費と環境破壊が過去、行われている。 犯人は植物。
 昔の地球の大気には酸素がなく、二酸化炭素は豊富にあった。それを植物が消耗しつくし、有毒な酸素と言う廃棄物を大気の20%にまでしてしまったのだ。 
 おかげで現在では植物は、成長に不可欠な二酸化炭素を、希薄な空気中から、なんとかかんとかあえぎながら吸収している。まことに自業自得ではある。
 さて、先ほど「有毒な」と書いた酸素だが、こいつは反応性が高く、常温でもたいていのものを腐食してしまう。あの丈夫な鉄でさえもぼろぼろにするんだから、その危なさと言ったら無い。なにせ温度さえ高ければ、「燃焼」といって爆発的に化学反応を起こす程。 まさに廃棄物と呼ぶにふさわしい。
 ところがその反応性の高さゆえ、それを燃料にしたらすごく活発に動けてしまう。それが動物という奴で、植物とはまさに比べ物にならない運動性能を手に入れた。しかし、酸素に対する防御機構を発達させてはいるものの(そう、ほっといたら酸素はDNAぐらい簡単にぶちぶち切ってしまう)、有毒物を大量に取り入れるので、老化が早く寿命も短い。でも息をしないわけにはいきませんし。
 たまにニュース等で、「プラスチックを食べる微生物発見!」とかやっているけど、植物にとって動物なんて正に「俺たちの廃棄物で活動する奴らでてきたぜー。すげぇなー。」てなもんだろう。「しかも二酸化炭素大量に吐き出してくれてるなー。ありがとう、がんばれー。温暖化もガンガンお願いするぜー」とか思ってるのかも。救世主ですな。(ちなみにちょっと調べてみましたが、「二酸化炭素濃度があがると植物の成長が早くなる」という説と「変わらない」という二つの説があるそうです。)
 

 人類が今のペースで二酸化炭素を増やしても、20%になるには40万年。地球の歴史からしたらたいした早さなのだが、なかなか気が遠くなるような話ではある。植物はすごいな。