人の下に人をつくらず、と言ったらしいよ。

 昔々、住み込みの女中さんとかいう便利な人が居たという。お女中の方ではなくて、貧しい家の娘が奉公するような奴。私の中ではおしんのイメージです。いや、おしんも女中の歴史にも全く詳しくはありませんが。
 で、そのお女中さん、炊事洗濯子守その他、いろいろやってくれるという(イメージでは)。助かりますね。
 むろん、現代日本ではまず見られない就労形態です。貧富の格差が縮まったこともありますが、人間の権利意識の向上も要因のひとつだと思います。賃金はらわんかったら奴隷と一緒ですから。
 とまぁ会社でそんな話をしていたとき、「一応衣食住の保障はする女中制度と、ネットカフェ難民に時間を切り売りさせて要らないときは見向きもしないのと、本当に酷いのはどっちだろうね」という話になりました。
 まぁ答えは「待遇による」だとは思うんですが、本当に貧富の格差が大きくなったら復活する可能性もあるのかなぁ、みたいな話になりました。
 というわけで「女中さん(おしんイメージ)のいる生活」をシミュレートしてみたんですが。


 いくらなんでもこのご時勢、食い物の差別はあり得ないよなぁ・・服もそうだろ、娘二人とあからさまに差があるってのも教育上問題が・・・でも学校ぐらいは行っておいて欲しいよなぁ、こっちが先に死ぬんだから・・・高校?いやぁ今時大学ぐらいは最低出てもらっておいたほうが・・・まぁ家事は手抜きになっても仕方ないよなぁ・・・卒業したら・・・そりゃぁ女中よりいい就職先があったら止める権利は無いよなぁ・・・結婚もそうだし・・・。

 
 結局、子供をもうひとり育てるのとまったく差が分からなかったので、うちが女中さんに来て貰う事は無いと思います。 
 そもそも、平日の生活的には「帰ったらみんな寝ていて、一人で子供の残り物を食べる」生活から、「帰ったらみんな寝ていて、一人で子供と女中さんの残り物を食べる」のに変わるだけのような気がする。
 人類皆平等、で育ってきた戦後の価値観はなかなか頑固な模様。