仕事といえば

 朝、テレビで薄ら寒いものを見た。
 NHKのニュースの中で紹介されたものだが、「人事が新入社員の選考時、学生時代の成績表を重視するようになってきた」とのこと。
 まぁそれはいいのだが(自分の成績を思えば全く良くないが)、番組で紹介されていた「某大手メーカー」の人事が非常に寒かった。
 「入社後すぐにやめてしまう新人が多いのが全社的に問題になっていまして、それを防ぐため、『粘り強く我慢できる人材』を採用する目的で、成績表を活用しています」らしく。
 いい年こいたオトナが雁首そろえて成績表を指差し、「ここ!みてください! 必修でCだった英語が次の年にはAに変わってますよね!? これは『苦手だった科目もあきらめず精進した』と言えるのでは!?」とか鬼の首を取ったように言い合っている。
 これだけの事なんですが、なんだかつっこみ所がありすぎて。
・「入社後すぐにやめてしまう新人」が問題だって騒いでいるのは、全社じゃなくて、人事部のおまえらなんだろ!(明確に採用した奴の責任だから)
  「無能だろうがとにかく『辞めない奴』さえ採用しておけば、数字にでないからOK!」ていう魂胆がミエミエなんだよ!
・辞めるのが問題なら、まず「何故辞めるのか」の分析が先だろ! 分析した結果が「最近の若者はガマンが足りない」だったんだろうけども!
・「CからAになったから苦手科目克服」は安直すぎるだろ! 講師変われば判定基準かわるだろ!あほか!


 テレビなので、多分に意図的に編集したものなのは分かっているけれども、(そして思ったとおりの反応を引き出されているのかもしれないけれど)、「そら辞めるやろ!そんな会社!」と感じてしまった。
 いらんこと考えずに、「とにかく大学の成績がよかった奴」を採用した方が、マジメで優秀な人材とれるんじゃないかなぁ。(じつは私は昔からそう思っている。)人材は偏るけど。
 「成績が悪くても仕事ができる奴はいる」のは真理だけど、「有名校の成績がとびぬけて良い奴は、仕事も優秀」の確率は高いと思う。上部のひとすくいの人材を採ろうとするなら、無難で楽な戦略なんじゃないでしょうか。
 あ、そうか。そうやって採用した「優秀な奴」が辞めちゃうから困ってるってことか。 やっぱ会社の中身が悪いんじゃないスか?