威厳の肖像

 日々、尊敬される父親たるべく、娘達に対する威厳の獲得に余念の無い私。 
 当然、困った顔やうろたえる姿は決して見せず、強く頼もしい父親像はゆるぎない。


 そんなある日、娘とオセロをしていたのだが。 
 あくまで偶然と思うのだが、ココ様が盤上におもむろにお乗りになり、おくつろぎに。 
 私の番は来たものの、駒を置こうにも邪魔でおけない。「どいていただけませんか」とお願いしても気にも留めてくださらない。 
 途方にくれ、とりあえずココ様のうえにそっと駒を置いてみたりしていたら、のっそりと移動してくださった。 危機一髪。


 乱れた盤上の駒を修復していたら、娘が感想「あんなに困った顔のとーやんはじめて見た。」
 だって解決のしようが無いからねぇ・・・。