数珠デート

 嫁さんが、新しい数珠が欲しい、という。 聞けば、「今持っているのはさすがに年齢に合わなくなってきた。 何かの折りに親に貰ったものだが、安っぽいし、フサの色も若すぎる」。
 見せて貰いましたが、確かに樹脂っぽく、ちゃっちい感じはします。 うーんでも、本物の珊瑚とかメノウとかも、こんな感じの様な気もする。 ひょっとしたらすごく高い物なのかも。。。。
 素人二人であーでもないこーでもないと数珠鑑定をしていると、妻が、親玉(下図参照)に一部透明な部分を発見。水晶か何かか?!
 

 その透明な部分を光に透かして覗くと、なんとありがたや、お大師様(空海)のありがたい御姿が中に見て取れるではありませんか!!

 「・・・・土産もんでこーいうの良くあるよね。ひょうたんの形とかしてて。」
 「・・・そうね。」
 「あんまり高価なものにはこういうギミックって無いよね。」
 「・・・そうね。」
 「でも万が一、もしこれが自然に出来た物だったら、凄く貴重でありがたい物だよね。」
 「それはない。」

 
 という訳で、本日は有り難い有給休暇(3ヶ月に1日だけ、労働者の権利として行使できる。事前申請必要。)だったので、三宮まで数珠を見に出かけてみました。 二人だけで出かけるのなんて久しぶりです。

 
 で、たまたま通りがかった仏具屋がラッキーなことに、とても数珠が充実しておりました。
 そう高価では無くても(数千円)、素人目にも美麗な物が沢山あり、なかなかに目を楽しませてくれます。 見直したぞ、数珠。

 妻もいろいろ目移りしていたので、ここは気の利いた事を言ってダンナポイントを稼がなければなりません。
 「この緑色のやメノウのやつ、すっごい綺麗やなぁ!」
 「そうでしょ!? でもちょっと派手すぎないかなぁ・・・」
 「いやでもすっごい良いよ!  あ、そうだ!ちょっと鏡で合わせてみたら!?」
 「・・・鏡とか無いから。」
 「・・そっか・・・・。 でもこんな綺麗なんやったら、使うときちょっと嬉しいよね? フェリシモで言うたら、『暗い日もウキウキ! きらっと天然石で手元美人の会。』みたいな感じで!」
 「・・・・・お葬式ウキウキとか駄目だから。」
 「でもまぁ、これ一本あったらフォーマルはもちろん、ちょっとカジュアルまでいけるんとちゃう?!」
 「・・・・ちょっと黙っててくれる?」


 黙れと言われて暇になったので、後の時間は熱心に仏具を品定めしている白人女性二人組を観察していました。
 なんか、お仏壇にそなえる、金模様が入った小さい湯飲みを今にも買いそうでした。 それに合う、小さい台も見ていたし。


 確かに、いかにも「和」って感じのもんだし、品質は良いもんだし、土産にちょうど良いかもなぁ仏具って。 店員さんも手慣れた様子でした。 ビジネスチャンスかもこれ。

 
 あ、ちなみに数珠は、「数千円とはいえ安い買い物では無いので、もう少し考えよう」ということで手ぶらで帰ってきました。