みんなちがって、みんないい(by金子みすゞ)

 望ましい集団とはこうだろう。
 そこそこ食物もある時、多数の中庸な日和見主義者は、あえて冒険はしない。だって割に合わないから。
 しかし、少数のチャレンジャーが、高いリスクを犯して食える植物や狩場を発見する。 ここでリスクが下がった! 
 中庸な層は食える植物を採取しだし、新しい狩場に我先に出かける。 食物採取の効率の上がった村は、より繁栄を享受するようになった。 しかしその時、攻撃層は既に新たなチャレンジに取り掛かっていた・・・。
 じゃぁ保守層はいらないのかというと、そんなことはない。チャレンジャーが見つけてきた植物が、食えるけども、蓄積性の毒を持っているかもしれない。
 実は、新しい豊かな漁場は、時折恐ろしい肉食獣がうろついているため、魚が手付かずなのかもしれない。常に全員で漁に行っていれば、いつかはその獣に出くわし、みんな食われてしまうだろう。
 もしもの時にも集団が子孫を残すには、「栄養価は低いが今までずーっと食べてきた食物」や「獲物は少ないが村に近く、安全が確認されている漁場」に頑固にこだわるガチガチの保守層が必要なのだ。 彼らが現代に生きていればこう言うだろう。「サントリーのウーロン茶が無いなら、のどが渇いていても我慢します!」
 どうだろう。うまいこと出来てないだろうか。
 あなたは、あなたの属する集団(恋人同士とか友人同士とか家族とか会社とか国家とか)の中で、どのポジションの層ですか? 攻め? 保守?