コロンブス? それとも修道僧?

 今挙げたのはドリンクという他愛も無い例だが、例えば、こんなに文明化される以前の世界ならどうだろうか。
 例えば未開の時代なら。集団がガチガチの保守層ばかりで構成されていたら、食べられる食物の種類も増えない。それに、いったい誰が村から離れて、薄暗い森の奥や、誰も行ったことが無い川の上流に探検に行くだろう。そこには、たわわに実ったリンゴや、魚であふれんばかりの瀬があるかもしれないのに。
 そんな集団は、遅かれ早かれ、村の周囲の安全な食物を食い尽くしてしまい、それでも外に出て行く決断が出来ず、ジリ貧に陥るだろう。
 反対に、攻め攻め層ばかりの集団ならどうだろう。当面の生活に十分な蓄えや、来年もきっと実をつける果樹があるのに、誰も食ったことが無い真っ赤なキノコにチャレンジしたり、サーベルタイガーを狩るのに血道をあげたりするだろう。早々に絶滅することは間違いない。