カイシャのハナシ その1

 子供が幼稚園をこの春から変わったので、銀行で新たに引き落とし用の口座をつくった。
 その折り、用紙にお決まりの項目(住所とか)を記入するわけだが、係員のひとに「こちらも該当しないとは思いますが、チェックお願いします」と言われた別の用紙が。
 そこには「下記に該当している方は□にチェックしてください」ということで、いくつかの質問事項が並んでいた。たとえばこんなの。 
 「現在、暴力団や反社会的組織に属している。もしくは関係している」
 おいおい。マネロンやテロ資金対策なのだろうとは思うが、本当に該当する人間が「はい」に素直に丸を付けるわけが無いだろう。絶対無い!
 なんとも愚かしくて、こういうのはとても嫌いだ。 「この質問項目に実効性がある、と判断をしたバカな人間がいる」という事が嫌なのではなく(だってさすがにそんなバカいないだろうから)、「個人的には誰もが『こんなの意味ねぇよなぁ』と思いながらも、集団としては馬鹿げた制度の実施に至ってしまった」という組織の愚かしさを目の当たりにして、絶望してしまうからだ。
 で、不愉快になりながらも、一応文言に目を通して該当しないことを確認していったのだが、
「法律で定められた範囲を超えた、不当な要求を行う集団に属している」
という項目で思わずチェックをいれそうになった。
 ふーあぶないあぶない。実はそれなりに効き目があるのかもしれないこの用紙。