身もフタもない子供論

 最近、自分の子供を見ていて強く思う。それなりの頭をもった子供なら、学力は親のカネとヒマしだいだなぁ、と。
 うちの妻はよくやってくれていると尊敬しているが、それでも上の子供の学力の伸びを見ていると、2人目が産まれてからはやはり幾分遅くなっているように思う。(別に文句を言うつもりは毛頭ない。そもそも自分が関われていないのに、文句を言う資格ないし。)
 子供が1人で、事実上子供と接する機会が一番多い(専業主婦の)母親が、べったり面倒を見てやれば、偏差値的な意味での学力に限って言えば、やはり伸びが早いだろう。そして「お勉強」は、絶対的に先行有利だ。小学校に上がる時にすでに足し算や引き算が出来ている子供と、授業で初めて履修する子供では、僅かな差でしかないが、6年経てば圧倒的な学力差になっているだろう。
 東大生は統計優位に長男長女が多いみたいな話も聞くし、自分自身、学生時代のバイト(塾講)で「こいつ頭の出来はそれなりなのに、両親が商売やってるからそれほど学力はねぇなぁ」と心底もったいないと思ったことも何度かある。それを考えると、母親が専業主婦ができる程度の裕福さ、というのもある程度学力格差に結びつくとも思う。


 自分自身はというと、一応(お受験して)私立の中学校には入った身の上だが、実は3人兄弟の一番下だ。 
 じゃぁ母親が時間割けないから、学力=長男長女の図式に当てははまらないじゃないか、という話だが、実はそうでもない。上の2人と年が7歳ぐらい離れているので、私が4歳ぐらいになった頃には、比較的余裕があったと思われるから。


 そういう事を考えると、うちは3人目とかってちょっとなーとか思ってしまう。兄弟が多いことの美点も沢山あると確信するし、学歴信仰者ではない(つもり)だが、子供が選択できる幅を広げておいてやる意味で、学力はそれなりにつけさせときたいし。
 そりゃよほどデキの良いのが3人目で出来る保証があるなら別だけど、そんな訳ないしな。
 そういった論点からみると興味深い話なのだが、さる知人の奥さんが「娘ふたりは早めに私学いれて、空いた手で息子に時間かける」と言っていた。時間と学力の関係を悟っているという意味でも、そこまで戦略練っているという意味でも、すごく賢明な人だなぁだと思った。 逆にいうとそこまで明確化された戦略(と、それを裏付けるとうちゃんの財布)がないと、子供の多頭飼いは難しいなぁと感じる訳ですよ。
 まぁ、学力なんていう、生きる力としてはかなり限定的なもん程度子供につけさせても、30年後にどうなってるかなんて分からんのだけどね。 実は当初出来の悪いと思っていたのが、出世して稼いでるなんて例は腐る程あるんだろうし。