なるほど

 「中国も人件費が上がり、円安のせいもあって、国内の賃金とそう変わらない。 なので、製造の国内回帰が進んでいる」なんてことを、昨今良く耳にします。
 ところが、話はそう単純にはいかないんだよ、と言う話を聞きました。(まさに似たような話が今日のyahooニュースにも有りましたが)

 
 かの国で、かなり規模の大きな工場を持ち、日用品を製造している会社なのですが、人件費の高騰に悩んでいたそうです。
 品質維持のための管理工数も国内より多くかかりますし、いろんな経費を考えたらメリットが無いということで、国内へ製造を戻すことを真剣に検討したと。 日本でも田舎なら、土地代が安いどころか、補助金付きで誘致しているような所まで有りますし。

 が、この田舎というところがクセモノだそうで、調べてみると5年後、10年後には、人口減で労働力(特に若年層の)が確保できなくなるのが明らかだったそうです。 
 かといって中期的に人口が減らない区域=土地代も高いわけで、それなら国内に回帰するメリットが薄れると。 人手が減っても良いように、できるだけロボットを導入・・・とか言い出したら中国なり、消費地に近い所で導入したらええがな、となりますし。 
 結局製造現場は、安くてボリュームのある労働力を求めて、流れ流れてアフリカまで行くのかなぁ・・・。 焼き畑ですなぁ。


 なんだか、うまく噛み合えば、「田舎に仕事が来る」→「若者の都市への流出が停まる」→「収入も安定して、高い出生率」→「人口が増え、さらに仕事が来る」 というように回りそうなのに、モドカシイですな。 
 この良循環に火がつくためには、集団に基礎体力みたいな物が必要で、そして衰弱した地方にはもはやそれは残っていない、そんな状態なのかもしれません。

 まだ円が高かった頃、「安くなりゃ製造業が国内にもどってくんだろ」と予言しましたが、人口減を甘く見てました。ていうかあれ4年も前か。
 また土木関係が短期的に活況なのが人手不足に拍車をかけるよなぁ・・・。オリンピックまでなのになぁ・・。