大人の事情

 岡本真夜の曲に酷似していると騒ぎになった某万博ソング。
 今朝のNHKニュースで、「上海万博実行委員会から岡本側へ正式に楽曲使用申請があり快諾した旨を所属事務所が明らかにした。」と言っていた。

 とても面白い。

 何が面白いかというと、大事な一言が抜けているからだ。
 本来なら「実行委員会から盗用についての謝罪と、正式な使用申請があり〜」となるべきだろう。
 が、万博側が盗用を認めたかどうか、という決定的な情報は、実はこの報道のどこにも含まれていない。
 にもかかわらず、この報道を聞き流していると、「あ、中国すなおに非を認めたんだね、えらく素直な・・」と受け取ってしまう。 事態は沈静化するだろう。

 もちろんこのタイミングで岡本真夜側に楽曲の使用申請をするということは、事実上認めたことに他ならないのだが、文言としてはちっとも認めても謝ってもいない。
 中国国内向けのアナウンスとしては、「盗用を認めた事実は無い。あれは日本の言いがかりだ」と強弁する事も可能だ。

 もっと突っ込むと、本当に興味深い点は、このニュースの報道のされかたそのものだ。
 「中国側は一言半句も非を認めていませんが、岡本さん側の楽曲を使用申請する事によって、事態の強引な沈静化をはかっている模様です」という切り口で報道する事も可能だろう。そしてそれが実態にちかいんじゃないだろうか。

 それを、天下のNHK様までもが、中国の立場におもんばかった、なんとなく国内の雰囲気をミスリードするような報道の仕方をする。 そこが興味深いのです。

※以上は、今朝ニュースを聞いて反射的に思ったことであって、他のニュースやワイドショーでは、まさにここに突っ込みまくっているのかもしれません。あしからず。