ドリームな家

 「金持ち版ビフォーアフター」みたいな番組をみた。(まぁこっちはリフォームではなく新築だが)
 手段としてはこちらの方が地に足が着いているのだが(「いざと言う時にテーブルになる椅子」とか、「おじいちゃんの引退前の商売道具を廃物利用した照明」とかは出てこない)、物件自体は金がかかっている分、随分とうわついたシロモノだ。基本傾斜地で、別荘みたいなものが多い。(過去には違うのもあった様だが、今回はとりわけそうだった。)
 

 まぁ、施主の希望は人それぞれだからまぁ良いといえば良いんだけど、今回の2件は両方とも開放的で窓がとても多い。特に前半の家は2階の壁がほぼガラス張り。
 格好はとてもいいが、夏場は温室になるし、冬場はめちゃめちゃ寒いんじゃないだろうか。
 いちおうペアガラスなのは確認できたが、例え遮熱LOW-eガラス(高いだろうなぁあのサイズは・・)だったとしても断熱性能は普通の壁にさえ劣る訳で、特に夏場の2階なんかかなり酷いことになるに違いない。
 設計の哲学としては、例えば車だったら「走ること」が基本機能なので、時にはそのために居住性を犠牲にするのはアリだと思うが、住宅は「住むためにある」んだから、格好のために居住性を犠牲にするのは設計者の良心としてどうかと思うのだが。
 まぁ、哲学なんて人それぞれ違うもんだから、大きなお世話と言えばそうなんですけれどもね。