息をするように

 会社に、変なオッサンがいる。 けっこうな年(50すぎ)で、ハゲで、甲高い声で、ヤセ型で、独身で、非常に攻撃的だが自分に甘い。
 まぁ、あたり前だが非常に嫌われており、いろんな部署をたらい回しにされているハナツマミモノだ。 仮に彼をPさんとする。
 会社で「温厚を絵に描いたような」と思われている(筈の)私にしても、内心は彼を「デスノートを拾ったら真っ先に名前を(むごたらしい死因付きで)書くリスト」に入れているほどだ。 隠しているけどね。 オトナですから。
 
 
 で、話は変わって、あるとき、若い同僚に「Iさん(俺だ)って、本当にPさんのこと嫌いですよね・・・」と言われた。
 ここで首肯するのも大人げないと思ったので、
 「そんなこと無いよ! 俺、『無人島に何か一つだけ持って行けるとしたら?』って聞かれたら、いつも『Pさん』って答えてるもの!」と言ったら、
 「・・・ホンット、よくそんな適当なこと言えますねぇ・・」と感心された。