今日の一枚

ikurou2006-12-08

 美しい写真を撮るには、まずナマの目で美しいと感じなければならない。そら、そう考えなければそもそもカメラを向けませんから。 で、私にとって写真を撮るという行為は、心に映ったその美しいイメージを、レンズを通して入ってくる映像で再現するという作業なのだ。
 そういうわけで、風景はまだしも、人物写真は私にとってひどく難しい。あ!と思った「イイ表情」とか「かわいい顔」はほんの一瞬でしかなく、それをカメラに捉えるということがなかなか出来ないのだ。(風景は動かないからまだ良い。いや風景写真も本当はもっと奥深いのだろうけど。)
 脳が他人の表情のを認識する能力はとても優れていて(もしくは都合が良くて)、一瞬の美しさや可愛い表情を脳に焼き付けて「印象」という余韻に変換してしまう。ところがカメラというものは、ただシャッターの押されたほんの一瞬を残酷に切り取ることしかしないので、マヌケな表情や不細工な顔が大量生産されてしまう。
 芸能人クラスの美男美女ならどう撮っても「使い物になる」写真しか生産されないのかも知れないが、庶民レベルとなると難しい。ご多分に漏れず我が家の赤子も庶民ヅラなので、この写真を撮るのに苦労した。この顔が「我が子のこの顔は可愛いと思っているイメージ」にわりと近い。