アクティブレスト

 20代終盤の声を聞いてからこの方、友人達から「ゴルフ始めた」「テニス始めた」「ジム行き始めた」等の話をよく聞くようになった。 「運動をわざわざ趣味として始めないと、肉体的に維持できないものが色々出てくる」お年頃にさしかかってしまったのをシミジミ感じさせられる。
 というわけで、文科系で鳴らした私もなにか体を動かすものをと思い立ち、エリート会社員としてステイタス性や人脈作り、高級クラブ接待時のホステスさんモテ度も加味して考えた結果、スポーツチャンバラ始めました。 このスポチャン、とどのつまりは棒状の風船でどつきあうだけなのだが、それなりに運動量もあるしなかなか面白い。(風船とはいえ、ゴム引きの丈夫な布にパンパンに空気を詰めているので、簡単には曲がらず攻撃を受け流したりはできるし、それでいて当たった時派手な音がするだけで痛くない。) ルールも「どこに当てられてもダメ、どこに当てても一本」とまことにシンプルでとっつきやすい。
 もともと体育会系ノリは肌に合わないので、気分転換感覚で月2回ペース(それも他の用を優先させて頻繁に休む)なのであまり上達はしないのだが、その分やめずに続いている。
 数ヶ月行かなかったりした期間もあるが、述べるともうかれこれ10回ぐらいは行っているのではないだろうか。
 NHKのカルチャーセンタで受講しているのだが、さすがマイナースポーツだけあり、生徒は少ない。2人ぐらいの中学生と、あとは師範クラスの妙に強いジジイが4人というイビツな構成。すぐ隣で大量のババァがハーモニカを吹いているのとは好対照だ。


 で。なんでこんなことをわざわざ書く気になったかというと、前回の教室で面白いことがあったから。
 引越しでこれなくなり受講をやめた少年(高校生ぐらい?)が、数年ぶりに用事で通りがかったので顔を出したらしいのだが。こいつがイタかった。
 一見(やや声が大きすぎるぐらい)ハキハキした礼儀正しい少年なのだが、練習になると、変な構えをする。
 例えば、これ。
http://blog-imgs-30.fc2.com/d/a/r/dara2life/20090323131908.jpg
 真剣なまなざしでイキナリこの構えを繰り出され、思わず噴出しそうになったが、かろうじてこらえました。その後奇声を発しながら突っ込んできたのを、スキだらけ(ていうか構えに酔っており防御しない)なので突きを入れたのですが、その直後打たれたのを気にしない相手からこちらも思い切り打たれました。なにコイツ。そういう自爆攻撃なのか、その技は。


 そうかと思えば、これ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4845827298/hatena-ud-22/ref=nosim
 これも奇声とともに(お約束の「ちぇぇぇー!」)突っ込んできたのを(中略)結局思い切り打たれたので痛い。やばいコイツ。
 

 その後もなんというか、得物をぐるぐる風車のように回しながらつっこんできたりとか、「相手の動きに即応せず、自分のしたい戦法だけをやりとおす」というバンザイ突撃を繰り替えし行っておられ、また、中学生相手にも手加減せず思い切り叩き(さすがに結構痛い)、それを講師に注意されると口を尖らせてました。
 なんというか、いろんな意味で人とのキャッチボールが出来ない人物の模様。きみは薬丸自顕流でもしていたまえ! (それを思うと、昔の超一流の剣豪なんてものは、高度の心理戦もできて当たり前だった筈で、つまりはあんまりEQの低いイタイ人物はいなかったんだろうな。)
 普段の生活では若人に接する機会なんて皆無で、目にするイタイ人間は中年以降ばかりなので、若年者にも困った人間はいるという当たり前のことを忘れていた。(各方面から突っ込まれそうなので、「知った」ではなく「忘れていた」と表現してみた。)
「せんだんは青葉よりかんばし」ということわざの正しさを思い知らされた一日でした。