地震に思う

 案の定、テレビが地震一色。子供が「おさるのジョージが無い」とブーブー言っているので、妻がそんなこと言うもんじゃないと諭していた。
 そして私はというと、基本的には地震報道には、シニカルかつ冷淡だ。
 なぜなら、視聴者ウケするショッキングな映像だけを繰り返し繰り返し繰り返し流すだけだからだ。これにより下記の害が。
・悲惨な映像ばかりで、どの地域が「大丈夫」なのか、という情報がまったく流れないので、被害の程度がわからない。壊滅状態なのはほんの一部地域なのか、北関東の大半なのかもわからない。テレビだけ見てると、東京より北は壊滅したんじゃないか、というイメージさえ受ける。諸外国もそうおもっているだろう。
・逆に、所詮テレビなので、本当の悲惨さも伝わらない。(奥尻島津波があった時はさんざんテレビでやっていたが、「あーすごいねー」ぐらいに思っただけだった。が、その後神戸で地震が起こったら、実物の迫力や悲惨さはぜんぜん違う。テレビはただの見世物にすぎないのだと強く感じた)
・被災者に役立つ情報が流れない。大半の時間は、衝撃的な映像と、錯綜した情報をただ垂れ流すだけで、「それでどうしろというんだ」と思う。
 
 というわけで、大した情報ないんだから、画面の端にちいさい枠出しといて、新しい情報が入るたびに表示させるぐらいでいいんじゃないんだろうか。
 そんで、「おさるのジョージ」でも、「いきいき百歳」でも、放映すればいいじゃないか。
 死者数だって、しばらくは把握すらできないはずなので、現在報道する意味が全く無い。神戸のときも、しばらくテレビでは「死者数十名」とか報道されていたが、長田を目の前で見たあとだったので、「そんな訳ない」と強く思ったものだ。死者何千人という本来に近い数字がでてきたのは、かなり(2日や3日ではなく)経ってからだ。


 死者といえば、しばらくしたら、亡くなった方の名前をテレビで列挙しだすだろう。でも本当にテレビを見ている人が必要なのは、「大丈夫だった」ひとの名前リストなのに。
 改善されてねぇなぁ。 
 あ、でも原発は気になるけどね。