被害者友の会

 里帰りから帰ってきたばかりの妻の調子が悪い。 熱と頭痛で寝込んでしまった。
 子供は元気なので、夏休み最終日は朝から子供の相手。 昼前には間が持たなくなったのと、妻を安静にさせるため、手近な所ということで子供と3人で花鳥園に行く。
 子供(大)は何の生き物も怖がらず、カモだろうがフクロウだろうがでかいクチバシの鳥だろうが、とにかく触りたがる。 子供(小)はエサをやるにもおっかなびっくり。動物が近寄ってきたら「だっこ、だっこ」としがみついてくる。
 同じように育ててるのにこの差はなんだろうなぁ。
 子供二人に鳥魚用のエサを買い与えながら、そんな事を考えていたら、自分が昔(おそらく幼稚園児)、王子動物園で白鳥にエサを与えようとして手を噛まれた事を思い出した。 誰に話しても、あの優雅な白鳥と食いつかれたという凄惨なイメージのギャップに笑われるのだが、クチバシは硬いから痛いんだよあれ。と言っても誰もわかっちゃくれませんが。
 そうこうしているうちに、子供(大)がひきつった顔で帰ってきた。「とーやん、鳥にごはんあげようとしたら手をかまれちゃった・・」
 池はほとんどカモばかりなので、「あれ?」と指差して聞くと、「ううん、あの白くて大きいの」と答える子供。
 ひとしきり笑った後、「案外クチバシが硬いから痛かっただろ?」と聞くと、「うん、硬くて痛かった」との事でした。
 やっぱ白鳥、猛禽だわ! しかしなんであんな沢山小さくて可愛いカモがいるのに、数匹しかいないデカイ白鳥にわざわざ手でエサやろうとするかねぇ・・・。
 まぁ、その後クチバシのでかい鳥を手に止まらせてエサをやったり、大量の魚に足をほぷほぷ喰わせたりしてかなりお楽しみのご様子でした。