こわれもの

 愛用していた腕時計が壊れた。まったく動かない。かれこれ8年ほど使っているものだ。
 SEIKOのAGSという種類のシリーズで、腕の動きで発電し、その電力で駆動するクオーツ時計だ。
 「電池交換いらず、でも機械式の自動巻き腕時計と違って、時間が正確」というのがウリなのだが、いまや性能面でソーラー時計に大きく水をあけられており、時計として特にコレと言った利点はない。
 稼動部があるので損耗して壊れる(実は壊れたのは2度目)し、発電用のフライホイールにスペースを取られてしまい、一般に大きくて厚い。数日腕に着けないでおいたら電池切れで黙って動かなくなっているので、そのたびに時刻を合わせなおす必要もある。(最近のは再度動かしたら正しい時間に復帰するそうだが)
 ソーラーは室内でも上向けておいてたらずっと動いているのに。
 しかし、ソーラーは時計として完成しすぎていて(今や電波時計まで付いていて狂いさえしない)なんだか可愛げがない。
 しばらく着けなかった後に、減っている充電量を確認し「すまないねぇ」と言いつつ振って充電する、そんなAGSの「世話している感」がなんだか好きなのだ。稼動部があるのも、機械系として嬉しいポイントだ。振るとしゃこしゃこ言うし。
 今回の故障も、内部でフライホイールが停止しているので稼動部が原因のようだが(前回もそうだった)、高く付いても修理に出してやりたい。購入価格は3万円ぐらいのもんだったんだけれども。 (前の修理は1万円以上した。普通のクオーツ時計買って、電池交換してた方がはるかに安い)
 ボーナス2日前に壊れると言う所が「もう引退させて下さい。変わりに新しい時計買いましょうよ」と時計に提案されているような気もするのだが、国内外のいろんな場所(ダイビング時の海中含む)に共に出かけたヤツなので、もうしばらく使いたいなぁ。
 SEIKOの部品保持期間は製造終了より7年らしいけど、直るように祈ろう。
 金でカタが付くなら、舶来高級腕時計ぐらいの費用を突っ込んでも修理するってのも酔狂でいいな・・・・。