正体見たり

 思慮深く先見の明があり勤勉、という良いイメージが多いドイツ人であるが、何十年か前にはユダヤ人の迫害に関わった人々でもある。(少数ながら「実はあれはデマ」という説もあるが、さすがに嘘だろう。)
 なぜ、そんな理知深い(はずの)彼らがなぜ愚かな行為に手を染めたか。 門外漢ではあるが考えるに、「とても閉塞感のある状況」とか「超インフレ、超不況の中で国民が苦しむ中、裕福(にみえる)よそ者のユダヤ人」「劣等民族であるユダヤ人より自分の方が苦しい(ようにみえる)状況に、なおさら怒りが蓄積」等の状況があり、そこにヒトラーとその一派が意図的に火をつけたという構図ではなかろうか。
 もちろん、多くの国民がユダヤ人を気の毒に思ったろうし、表立ってユダヤ人を庇う事にはペナルティもあったのだろうが、「そんなことやめようよ」という国民的運動が起こらなかったのもまた事実だ。 
 迫害も、いきなりアウシュビッツ送りから始まったわけではなく、当初は「あこぎな手段で稼いだ(と思われる)財産の没収と競売」や「国外への退去」等から始まり、そのときは一般大衆も大いに溜飲を下たらしいし。
 ・・・まぁ結局ドイツ人も完全無欠の正義人間という訳ではなく、普通に感情的で、利己的で、状況に流されてしまう人間だというわけです。 
 所詮ドイツ人もこの程度、愚かで心の小さな事ですよ。 もし賢明な日本人が同じ状況になったらちょっと考えて、ヒトラーなんかに煽られることも無かったに違いありません。
 そうなる前に何か他の手を打ったことでしょうし、間違えても大量虐殺までには至らなかったことでしょう。 
 ややもすると「ドイツ人はえらい、日本人駄目」みたいなイメージで語られますが、そんなことはないと思います。誇りと自信を持ちましょう。