格差の詩

 今日は家族でお出かけです。 子供のバッグがぼろぼろになったので、靴と鞄の町・三宮に買いにゆくのです。
 
 で、三宮〜元町の間を行ったり来たりしているうちに、親子共々疲れ果ててしまいました。
 ここでお父さん、素敵な提案です。「どっかで休んでいかない? パフェでも食べて。」
 子供達、諸手を挙げて大賛成です。「パフェ! 賛成!」 「賛成!」 ふふふ、ちょろい。 威厳ポイン+1だな。


 ちょうど元町のクローネに通りがかったので、「あそこで食べちゃう? 絶対美味しいよね!」とさらに提案。家族の興奮は最高潮です!
 ふふふ、衣と食のコストがぐっと安くなった昨今、貧富の差はこういう非日常な贅沢支出に現れる訳ですよ。

 さて、クローネ1Fのカフェに入り、「すごーいおいしそー!!」とさらに盛り上がる子供。
 でもあまり量がなさそうだなぁ。 家族みんなで1杯、と思っていたが、2杯にしとくか。うう、1杯1000円もしやがる。 普通にメシ食えるって。

 レジで意を決して宣言。 ふっふっふ、貧富の差はこういう非日常な贅沢(以下略)。
  「あのー、パフェふたつ。」
  「ハイ! パフェ二つ。」
  「・・・・・・・・・。」
  「・・・・・・・・あの、他には?」
  「あ、あとは水で。」
  「・・・・・・・・あの、お客様。」
  「はい。」
  「当店は、お一人様それぞれお頼みいただくことになっておりまして・・・・」
  「えぇっ!?(妻と顔を見合わせる)」
 うろたえながらヒソヒソ善後策を話し合う妻と私。
  (おい、紅茶でも700円とかするぞ! どうせなら全員パフェか!?)
  (パフェで4000円とかあり得ないでしょ!)
 このあたりから、空気を察知し、猛烈に不安そうな表情になる子供達。
 さっさと観念しろよ、みたいな表情で待つ店員。


 そして結論。「すみません、今日はやっぱりやめます!」と大宣言。 今度は店員が驚く。
 子供を連れて逃げるように店を去りました。

 子供はその後もパフェパフェ言っていたのですが、「また今度ね」と言い聞かせました。
 かわりに、帰りに駅前のスーパーでスイカ(見切り品で半額、¥298)を買って、風呂上がりにみんなで食べましたとさ。
 めでたしめでたし。


 自分で書いていた思ったが、ちょっと良い話みたいじゃなかろうか。  一杯のかけそば的な。