大人の階段

 またひとつ、人生のイベントをこなしてしまった。それは、「あの子にはお父さんからビシッと言ってやってください」 だ。

 

 経緯はこう。

 子供(小)は学校帰りに駅前のスーパーやコンビニに立ち寄ってお菓子を買ってくることがあるのだが、最近はちょっと頻度が高いという。

 別にそれぐらい・・という話なのではあるが、妻の話をよく聞いてみると、焦点がわかってきた。

 「どうしても欲しくて買う」「腹が減って買う」なら良いものの、「あ、こんなのあるんだー」というスタンスで買ってくるのが良くない。 たまになら良いが、最近頻度が高く金遣いが荒いのも気になる、という。 つまり、子供が娯楽的消費に興じるのが目に余った、ということなんだな。

 けれども自分の金で楽しんでいる範囲内なので、反抗期の子供に「注意」すると角が立つのは目に見えている。 と言うわけで、「あの子にはお父さんから・・」となるわけだ。

 確かに若い身空で、不必要な消費に興じるのは良くない。 これはおとうさんからしっかりと教育的指導だな。

 

 「というわけで娘よ、聞きなさい。」

 「なに。」

 「最近、お菓子とか良く買ってるそうだね。」

 「あー、新作のグミとかかならず買うね。このまえ哺乳瓶グミあげたよね。」

 「そういえばもらったね。ご馳走様でした。 ・・けれども、お父さんが中学生の時は、あんまりお菓子とか買った記憶は無いよ。 別に無くても良いし、何も残らない物にお金使うの勿体なくない?」

 「そうなんだ。じゃぁとーやんは何にお金使ってたの?」

 「・・・圧倒的にゲーセンだね。もう食費削ってゲーセン行ってたね。当時はテトリスやUFOキャッチャーが初めて出た頃で(中略)特にメタルホークにはいくらつっこんだか(中略)メダルゲールも熱くってね!ルーレットとかたしたし城とか(中略)けど、結局あれって最終的にはメダルを回収するようにCPUがイカサマしててね!ルーレットなんか全賭けしたら0とかに止まりやがるんだよ! あれで大人は汚いってことに気づかされたよ(中略)つまり、無駄なお金使ったなぁって反省しているんだよ。」

 「・・・・ふーん。まぁ、わかった。」

 

 家族は本気で話せばわかりあえる、ということを実感しました。

 これは威厳ポイント+3ぐらい行っちゃったかな?