出来レース。

 選挙も近いということで、選挙公報が郵便受けに入っていた。
 泡沫候補を見るのが楽しみでいつも丹念に目を通しているのだが。
 今回は衆院選ということで、ついでに最高裁判所の判事の国民審査もあり、公報には判事とその略歴、関わった主な裁判が列挙されているのだが、こいつが不自然だ。
 一人当たり、5件前後の裁判の案件と、それに関し下した判断が書かれているが、それが大衆にウケが良いものしか選ばれていないような気がする。
 つまり、「ぼかぁね、あの極悪人にバッサリ死刑を下してやったよ!」とか「ミスを認めない役人をね、しっかり叱ってやったんだ! なんといっても国民が一番偉いからね!」的な判例しか選ばれていない。
 これでは当然、「こいつやめさせろよ」と判断する者はいないだろう。(ここに目を通す人間自体があまりいないと思うが)
 だが、「政府に有利な判決」「国民感情と乖離した軽い刑」に加担しましたよ!と書いてあるものは一人もいない。 また(判事が判断しているのかは知らないけれど)「控訴を棄却してやりましたよ!五月蠅いプロ市民の!」てのも書いていない。
 思えば4年前の国民審査もそうだった。その時はざっと目を通しただけなので、「まさかな」と思っただけだったのだが。
 なんだかなぁ。 マスコミも最高裁判決が出たときに文句たれるなら、選挙前にこういうところを追いかけてまとめれば良いのに。 タブーなのか?