貴族と賤民

 子供(大)が通っているのは中高一貫の女子校なのだが、それなりに古い歴史をもち、イメージとしては「お嬢様学校」で通っている。 らしい。

 

 押しも押されもせぬサラリーマン家庭の我が家だが、志望校として選んだときには「21世紀にお嬢様もねぇだろ」と、都市伝説ほどにもそんな要素は考慮に入れなかった。

 

 が、何年も通わしているうちに「やっぱちょっと違うのか?」という疑問が心をかすめる瞬間もなくもない。

 

 わかりやすく、娘から「○組の○○ちゃんは、○○(けっこう大企業)の社長さんの娘さんらしいよ-」という様な話を耳にしたことも幾度かあったのだが、その他にも「生活のレベル感の違い」にまつわる出来事があったりする。

 

 たとえば、クラスで、「家で使っているのはマーガリンかバターか」と先生に聞かれたとき、マーガリンに手を挙げたのはうちの子だけだったとか。

 うちの妻は「みんな実はマーガリン使ってるけど、親がバターって言ってるからバターなんだと思ってるだけだよ」と毒づいていたが、私は必ずしもそうではないんじゃないかなーと思っている。 子供(大)曰く、「え、マーガリンって何?」という子も多かったというし。

 ちなみにウチは「バター風味」と書いてあるマーガリンを使っているので、事実上はバター派と言えなくも無い(言えない)。

 

 また、これも聞いて驚いた話なのだが、冬の初めに、子供(大)の友達がこんなことを言っていたらしい。「今年まだヒートテック買ってなくて、寒いんだよね」

 「昨年のを着れば良いのでは?」と思った子供(大)が聞くと、ヒートテックは洗うとすぐによれよれになるので、1シーズン(つまり冬が終わったら)で捨ててしまうらしい。しかもけっこう大半のご家庭で。

  パーティの度にドレスを新調する貴族かよ! 確かになんだか薄くなってよれよれになってくるけどね、ヒートテック

 

 なんか貧富の差って、「豪邸に住んでます」とかより、こういうちょっとしたことに感じるなぁと思った次第です。