今の会社はけっこう昭和の風情を濃厚に残しており、飲み会や休日のゴルフで繋がった社内派閥が強固に存在する。大事なホウレンソウや決断はむしろそこでなされ、社内の会議は決定事項を垂れ流す「みんな内容は聞いたよね」というアリバイ作りの場でしか無い。
いきおい、上昇志向があったり爪弾きが怖い社員は積極的にその和に参加し、プライベートの時間を捧げることになる。「飲み会も仕事なんだよ」という昭和のお父さんのできあがりである。
さらに、仕事場はド田舎の工場であり、社員は基本的に近隣出身。派閥活動以外でも、レジャーや趣味は社員同士の人間関係を軸に行われる事が多い。
仕事自体もやり甲斐があり、毎日が楽しくて仕方がありません、となれば結構なことなのだが、残念ながら今の職場には、仕事面で不満や閉塞感を感じる社員が多い。
私なんかは「そんなイヤなら転職しちゃいなよ」と思ってしまうのだが、現実問題そこまで会社にズブズブだと怖くて辞められないのだろうということも想像がつく。
会社を辞めることは公私の人間関係を大きく損なうことは当然として、今までの会社人生の否定は自分というアイデンティティを否定することにまで繋がるからだ。
それを思うと、自分はラッキーだったなと思う。現在に至るまで保存された、社会人になる前からの友人関係が揺るがず存在し、それが環境を変える時の精神的足場になってくれているからだ。
もし、会社と切り離されたこういった強固な人間関係を持っていなかったら、こうして複数回転職している人生は無かったかもしれない。
昨日、友人達と飲みながら、有り難いことだと何かに感謝しました。 いや、親に感謝しろよって話か。